イギリスの小児科医、ドナルド・ウッズ・ウィニコットをご存知ですか?「ひとりでいられる能力(the capacity to be alone)」という彼の論文があり、そこでは「安心して孤独を楽しんでいられる力」について触れられています。
ひとりぼっちであることを「孤独」と言いますが、ご相談にお見えになる方のお話を伺っていると、どなたも不安でいっぱいなのは変わりないのに「孤独を感じやすい方」と「孤独を感じにくい方」、言い換えれば人によって「孤独に強いか弱いか」があるように思えていました。
それは決して表面的な強がりや、か弱さといったものではなく、何というかもっとその方の本質的なところに関わっていて、そのあたりを見極めながらどういう行動を起こしていけばよいかを提案をしていくと、傷ついた心の回復や次に立ち上がるまでに回り道をしなくて済むように思います。
ひとりでいられる能力を高めると、周りに振り回されず落ち着いて考える時間が持てるようになります。ただしその分、寂しさや心細さ、焦りや苛立ちといった感情とも向き合っていかなくてはなりません。
孤独とは周りとのつながりが切れるということではなく、むしろ、ひとりの時間を大切にできることで相手を理解し、より強くつながりを感じるためにも必要であるように思います。相手を失うことをおそれて無理に合わせすぎるのは逆効果なようです。
どうぞ自信を持って「孤独」と向き合ってください。ひとりでいられる能力を高め、不安な気持ちを上手にコントロールできることが、新たな夫婦関係を築く土台にもなっていきますよ。
そうそう、「孤独」と「孤立」は違いますが、それはまた別の機会に。