「あー、腹立つ。絶対、絶対、絶対、離婚です。何とかして困らせてやりたい。」何が原因かはともかく、怒りをエネルギーに変えて前に進もうとしている方。
「とにかく主人の機嫌を損ねた私が全部悪いんです、離婚するしかないと思います。」悲壮感を漂わせ、それ以外方法はないと思い込むことで前に進もうとしている方。
「悩む時間がもったいないんで、もういいかなと思って。そう思いません?」歯切れよく話し、物分かりよく明るく振る舞うことで前に進もうとしている方。
相談にお見えになる方の言葉だけをお聞きしていると、すっかり離婚する気持ちが固まっているような印象を受けることがあります。いいんです、本心なら。準備と覚悟ができていれば、幸せになる離婚ができます。けれど、どこかモヤモヤしたりイライラしたりウジウジしたりしている様子なのは、修復への期待が少なからずあるということ、つまり相手に対してまだ気持ちはある、ただ手立てが思いつかないばかりに修復をあきらめかけているということだと思うのです。
これ以上ないほど傷ついて悲しんでいるのですから、無理もありません。とはいえ十分な準備ができていないうちに結論を急ぎすぎると、次に立ち上がる時に逆に時間がかかることになりかねず注意が必要です。もしも離婚を選ぶことになったとしても「離婚はゴールではなく再出発」、お会いした方にはそうお伝えしています。
決して離婚をすすめるわけではありませんが、やれることはやったと言える状態になると、どこかふっきれた明るさが出ると同時に、相手への怒りやわだかまりの気持ちも少なくなっている方が多いように思います。そこで初めて「私が幸せになるために離婚を選んだのです」と、後悔なく再出発ができるようです。かかる時間、取り組む方法は人それぞれですが、そうして「困難を乗り越えたチカラ」はその後の人生の自信となっていきます。
今、離婚危機に直面して苦しんでいる方へ、ひとりで問題を抱えず話してみることで新たな解決策が見つかることもあります。なぜなら修復の方法はひとつではありません。どんなに似ている状況でも、他の人と同じということはないのですから、あなたに合った方法を知ることが、選択の幅を広げることに繋がると考えます。どうかこれ以上傷ついたり不安を感じたりしなくて済むよう、時間を有効に使っていきましょう。